診療支援
治療

色素失調症(Bloch-Sulzberger症候群)
Incontinentia pigmenti(Bloch-Sulzberger syndrome)
堺 則康
(東京医科大学准教授)

病態

 初期にはBlaschko線上に配列する小水疱が特徴.lyonizationによって正常NEMO/IKKγが不活化した体細胞にアポトーシスが起こり,炎症,好酸球浸潤により表皮の海綿状態や小水疱を生じる.胎生の過程で,選択以前にモザイクとして成長し,のちに炎症を起こすため,病変がBlaschko線に並ぶと考えられる.

【頻度】10万人の出生に対して0.7人.

【病因・発症機序】①責任遺伝子:NF-κB essential modulator(IKBKG)遺伝子の場合が80%~90%.②遺伝形式:X染色体優性遺伝.基本的に男子は致死的(流産する)だが,モザイク例や47,XXYなどは例外.

【臨床症状】出生時または出生直後から発症.時期によって症状が変化し,以下に分かれる.

1.紅斑水疱期(生後数日~数か月):小水疱,紅斑が列序性配列に並ぶ(図21-35)

2.疣状苔癬期(生後6~12週):水疱に

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