病態
【疾患名】脈管奇形とは胎生期における脈管形成の異常であり,単純型,すなわち静脈奇形,動静脈奇形,リンパ管奇形,毛細血管奇形と,混合型,すなわちこれらが混在するものからなる.Klippel-Trénaunay症候群(KTS)およびParkes Weber症候群(PWS)は,いずれも混合型脈管奇形に片側肥大症を伴う脈管奇形症候群である.KTSは,1900年にフランスのKlippelとその弟子のTrénaunayの2人により初めて報告され,低流速型脈管奇形(静脈奇形,毛細血管奇形,リンパ管奇形)を主とする.一方PWSは1907年にイギリスのWeberにより報告され,高流速型脈管奇形(動静脈奇形)を主とする.動静脈瘻を伴うものをPWS,伴わないものをKTSと位置づけるが,厳密な区別は難しく,本邦の指定難病281としては,クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群の名が採用されている.ICD-11