診療支援
治療

多中心性細網組織球腫
Multicentric reticulohistiocytosis
西本 周平
(川崎市立川崎病院医長)

病態

 皮膚の多発性結節性病変と増殖性・破壊性の多発性関節炎を主症状とし,病理組織学的には病変部へのすりガラス状の細胞質をもつ単球~多核組織球様細胞の浸潤を呈する.症例の約20~30%に内臓悪性腫瘍や自己免疫疾患を合併し,非Langerhans細胞組織球症に含まれるまれな疾患である.

【病因・発症機序】病因の詳細は不明であるが,貪食能をもつ活性化された単球・マクロファージ由来の組織球が反応性に増殖する疾患と考えられている.


診断

【臨床症状】皮膚病変は褐色から黄色の硬い丘疹・結節で集簇・癒合して局面を呈する.手指や顔,耳,上肢などに好発する.粘膜病変を約半数に認める.関節病変は多発性関節炎を呈し,対称性,破壊性,進行性である.特に手指の指関節(IP)が侵される.そのほか,眼,心臓,肺,骨髄などさまざまな臓器での病変の出現が報告されている.

【病理検査】真皮や滑膜に豊富なすりガラス様の好酸性の

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