診療支援
治療

水疱性遠位指端炎
Blistering distal dactylitis
山﨑 修
(島根大学教授)

病態

 A群レンサ球菌や黄色ブドウ球菌による表在性の感染症で手部水疱性膿皮症(pyoderma bullosa manuum)の一型である.手指遠位部の指球部の大型水疱を特徴とする(図27-2).小児に多い.

【病因・発症機序】A群レンサ球菌や黄色ブドウ球菌による.B群レンサ球菌によるものも報告されている.

【臨床症状】手指の遠位部の指球部前面に表在性水疱,まれに足趾にも生じる.通常1指だが,まれに複数指に生じる.時に爪周囲にも拡大する.薄く白濁する膿汁を認める.熱い鉄板に誤って圧抵したときに生じる熱傷の大型の水疱に酷似する.好発年齢は3~16歳である.発熱,咽頭炎,扁桃炎,リンパ節炎を伴うこともある.


診断

【鑑別診断で想起すべき疾患】熱傷,疱疹状瘭疽などと鑑別を要する.

【問診で聞くべきこと】アトピー性皮膚炎や湿疹病変はないか.

【必要な検査とその所見】①グラム染色:グラム陽性球菌を認める.レンサ

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