病態
ネコによる創傷や咬傷が原因で発症するBartonella henselaeの感染による人畜共通感染症である.
【頻度・疫学】B.henselaeは世界中に分布していて,欧米,日本,豪州,ニュージーランドなどからの報告がある.本邦に比較し欧米で圧倒的に多く,米国では年間20,000例の発症があり,2,000例が入院する.夏から秋に多くみられる.夏の繁殖期後,秋に子ネコが増加するためとみられている.バルトネラ感染症は小児に多いと考えられていたが,成人の報告も増加している.
【病因】グラム陰性小桿菌であるB.henselaeによる.バルトネラ属は内皮細胞や赤血球などの哺乳類細胞に固着し,侵入することができる.臨床症候としては,ネコひっかき病,オロヤ熱,ペルー疣贅,心内膜炎,細菌性血管腫症など多様である.
【臨床症状】①定型的にはネコ(子ネコ)にひっかかれたり,ネコとの接触により皮膚,あるいは結膜
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