診療支援
治療

クリーピング病
Creeping disease
石河 軌久
(大曲厚生医療センター科長)

病態

 ヒトを終宿主としない寄生虫の幼虫が,成虫になれないまま皮膚を爬行して特徴的な線状爬行疹(creeping eruption)を生じる疾患.原因寄生虫の種類により分類される.

【同義語】皮膚幼虫爬行症,皮膚幼虫移行症(cutaneous larva migrans).

【頻度】頻度は高くないが,原因寄生虫の種類や地域により異なる.また,食嗜好の多様化による再興感染症としての側面や,流行地への海外渡航後に発症する輸入感染症の側面もある.

【病因・発症機序】原因となる寄生虫には,顎口虫や旋尾線虫,動物由来の鉤虫類やManson裂頭条虫の幼虫(Manson孤虫症)などがある.これらの寄生虫の幼虫は,中間宿主や待機宿主(例:顎口虫ではライギョやボラ,ドジョウ,シラウオなど,旋尾線虫ではホタルイカ,スルメイカやハタハタなど,Manson裂頭条虫ではニワトリ,ヘビ,カエル,スッポンなど)に寄生しているた

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