診療支援
患者説明

難治性の頭痛性疾患の治療
竹島多賀夫
(富永病院・副院長)
西郷和真
(近畿大学内科学教室脳神経内科部門・准教授/遺伝子診療部副部長)
鈴木圭輔
(獨協医科大学脳神経内科・主任教授)

 片頭痛,緊張型頭痛,群発頭痛に代表される一次性頭痛は治療が必要かつ治療可能な脳神経疾患です.病態の理解も進み,治療の選択肢も増えており,標準的な診断と治療に関する情報も増加してきました1~3).一方,標準的な治療では十分な改善が得られず,就業,社会生活の継続に支障をきたしている患者さんも多く存在します.これらの患者さんは病状,病態,治療選択肢について十分な情報を得ることができず複数の医療機関を受診しさまよっている現状です.本項では,難治性の頭痛性疾患の治療における説明と同意の手順を示しました.

 “治療の難しい頭痛”には,①慢性片頭痛,②薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛),③慢性群発頭痛などが知られています1~3)図1のように,これらの頭痛は,通常,毎月の15日以上の日数と頻度で頭痛が起こり,数か月から年余にわたる頭痛であり,慢性連日性頭痛とよばれることもあります.また,頭痛の頻

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