頻度 ときどきみる
◆病態と診断
A病態
・テオフィリンとカフェインはともにキサンチン誘導体であり,薬理作用や中毒症状は類似する.
・テオフィリンは気管支拡張薬として気管支喘息などの治療に用いられてきたが,治療係数が小さく処方量は減少した.カフェインはコーヒー・緑茶・エナジードリンクなどの飲料や感冒薬・眠気防止薬に含まれ,近年急性中毒が問題となっている.
・キサンチン誘導体は副腎髄質からカテコールアミンの遊離を促し,β刺激作用を発揮する.また,細胞内サイクリックAMP(cAMP)の増加,アデノシン受容体拮抗作用をもち,筋小胞体からCaの遊離を促す.
・その結果,中枢神経刺激作用(興奮,けいれん,昏睡),気管支平滑筋弛緩作用・血管拡張作用(血圧低下),心筋刺激作用(頻脈性不整脈),利尿作用,骨格筋興奮作用(乳酸アシドーシス,横紋筋融解症)を発現する.
・テオフィリンの中毒量は血中濃度20μg/mL,重症例