診療支援
治療

天然ガス・プロパンガス中毒
LNG(liquefied natural gas)and LPG(liquefied petroleum gas)poisoning
磯川修太郎
(聖路加国際病院・救急科・救命救急センター(東京))

頻度 あまりみない

 燃料ガスは,主に炭素数1~4の脂肪族炭化水素が使用されており,用途によって成分や組成が異なる.天然ガスとはメタンを主成分とする可燃性の気体で,空気より軽く,液化天然ガス(LNG:liquefied natural gas)として海外より輸入され,事業者により気化・熱量調整・付臭が行われたのちに,都市ガスとしてガス管を通じて供給されている.一方,液化石油ガス,通称LPガス(LPG:liquefied petroleum gas)とは,プロパンやブタンを圧縮・液化したもので,家庭で用いられるLPガスの主成分はプロパンであるため,プロパンガスともよばれる.LPガスは室温で容易に気化し,空気よりも比重が重く,ガス漏れの際は床面に滞留し,特有の付臭によって認知される.カセットコンロやライターガスはブタンが主成分で,LPガスの一種である.

◆病態と診断

A病態

・燃料ガスによる毒性は3つ

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