診療支援
治療

伝染性単核球症 [■その他]
infectious mononucleosis
藤倉雄二
(防衛医科大学校病院准教授・医療安全・感染対策部)

頻度 ときどきみる

治療のポイント

・伝染性単核球症はほとんどの場合自然に軽快するため,対症療法が主体となる.皮疹をきたしやすいため,ペニシリン系抗菌薬は使用しない.

・脾腫を伴い,まれではあるが脾破裂のリスクがあることから,発症1か月程度まで激しい運動などは控えるように指導する.

・3か月以上持続する発熱,リンパ節腫脹,肝脾腫など,特に慢性活動性EBウイルス感染症を疑う場合は精査の対象となる.

◆病態と診断

A病態

・主にEBウイルスによる感染症である.唾液などを介し中咽頭粘膜に付着したEBウイルスがBリンパ球に感染する.この際,細胞傷害性Tリンパ球も活性化し,これが異型リンパ球として認識される.

・EBウイルス感染後,約6か月程度ウイルス排泄が続く.EBウイルスは生涯にわたり潜伏感染として維持されるとともに,間欠的にウイルス排泄がみられることもある.小児では不顕性感染であることがほとんどで,成人のほう

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