診療支援
治療

5 過敏性肺炎
hypersensitivity pneumonitis
稲瀬 直彦
(平塚共済病院・院長)

疾患を疑うポイント

●夏季や冬季など特定の季節に発症する.

●出張や旅行で自宅を離れると,咳などの症状が軽快する.

学びのポイント

●過敏性肺炎は吸入抗原により惹起されるアレルギー性疾患である.

●真菌や細菌が原因となるが,肺感染症(肺炎・肺真菌症)とは異なる.

●国や地域により種々の原因抗原があり,抗原に応じた疾患名がある.

▼定義

 抗原の反復吸入によって感作され,Ⅲ型およびⅣ型アレルギー反応を介して細気管支や間質に病変をきたすアレルギー性疾患である.肉芽腫形成を認めるため肉芽腫性間質性肺疾患に分類される.

▼病態

 過敏性肺炎の病態にはⅢ型およびⅣ型アレルギー反応が関与する.Ⅲ型アレルギー反応により抗原曝露4~8時間後の症状出現,気管支肺胞洗浄液と血清中の特異抗体(IgG・IgA),急性期における気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage:BAL)液の好中球と補体の増加を示す.一方,Ⅳ

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