診療支援
治療

成長ホルモン分泌不全
growth hormone deficiency(GHD)
有安大典
(川崎市立川崎病院小児科・担当部長)

治療のポイント

・「成人成長ホルモン(GH)分泌不全症の診断と治療の手引き」(厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班)が提案されているので適宜参照されたい.

・GH分泌不全(GHD)の診断を正しく行うことが重要である.

・治療開始直前,開始後1年間の身長の正確な測定が臨床的に重要である.

・軽症GHDに対する治療は慎重になされるべきである.

・小児期にGHによる治療歴があっても,成人において再度検査が必要である.

Ⅰ.小児成長ホルモン分泌不全(小児GHD)

●病態

・90%が特発性,10%が器質性(脳腫瘍,頭部外傷,下垂体茎断裂など),遺伝性はまれ.

・成長率低下(成長速度-1.5SD未満)をきたす.3年間続いたと仮定してSD成長曲線1本分,パーセンタイル成長曲線2本分の線を横切る可能性が1年以上続く場合,要注意である.

●治療方針

A.治療内容

 ソマトロピン(遺伝

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