診療支援
治療

Sjögren症候群
Sjögren's syndrome
冨板美奈子
(国立病院機構下志津病院小児アレルギー膠原病センター・センター長(千葉))

●病態

・涙腺・唾液腺を中心とした外分泌腺の障害を特徴とする,全身性の自己免疫性炎症疾患である.autoimmune exocrinopathyともよばれる.

・外分泌腺の障害により分泌量が低下し,眼乾燥・口腔乾燥や乾燥性角結膜炎,齲歯の増加や口臭などが生じる.

・発熱,関節炎,間質性腎炎,血小板減少症など全身の多彩な腺外臓器障害・症状をきたす.

●治療方針

 治療は,①腺症状に対する治療,②腺外症状に対する治療に分けられる.腺障害は進行性と考えられるが,進行速度は個人差が大きい.したがって腺障害予防のために,小児患者に長期にステロイドを使うことは現時点では勧められない.

A.腺症状への治療

1.眼症状

a.不足する涙液の補充 容量の多い点眼薬は多くは防腐剤を含んでいる.特にベンザルコニウムは角膜を傷害するため,これを含まないものが望ましい.乾燥の程度の強い例では涙液中のムチンも不足しており,ムチン産生を

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