基準値
・成人男性:1.1~1.9g/日
・成人女性:0.5~1.6g/日
測定法 酵素法
検体量 24時間蓄尿の全尿の一部または随時尿5mL
日数 2~4日
目的 ①クレアチニンクリアランス(Ccr)測定,②尿蛋白量などを1gのCr排泄量当たりに標準化して評価,③fractional excretion(排泄分画)から病態の評価
Decision Level
●成人男性:1g/日以下(減少)
●成人女性:0.5g/日以下(減少)
[高頻度]筋肉量の減少する疾患(筋ジストロフィー,低栄養,廃用性萎縮,サルコペニア) [可能性]肝硬変,甲状腺機能低下症 [対策]原疾患の診断と治療
NOTE 筋肉量の多いスポーツ選手や多量に肉を摂取した場合に,尿Cr排泄が増加する.尿Crが増加する疾患はない
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
●Crの生成と排泄
筋肉中でクレアチンリン酸から非酵素的な脱リン酸化反応によって生成され,またクレアチンからも1分子の水がとれて生成される.代謝最終産物として尿中へ排泄される.
Crの尿への排泄量は,筋肉量に相関し,筋肉量に変化がなく腎機能が安定していれば,比較的安定した値をとる.したがってCrの1日の排泄量は各個体でほぼ一定で腎機能とは相関しない.
Crの尿中排泄を測定する臨床的意義は,①1日の蓄尿で総排泄量を求めて蓄尿の信頼性をチェックすること(特に摂取食塩量や蛋白摂取量を蓄尿から推測する際には重要),②血清Cr濃度と併せてCcrを計算して腎機能を評価すること,③他の尿中成分の定量で24時間蓄尿ができないときには,Crの値で除して1gのCr当たりに標準化する〔「尿蛋白」→,「尿中アルブミン定量」→,「NAG」の項参照→〕ことにある(この計算は尿中へのCrの排泄速度が24時間一定であると考えられるために成り立つ).④fractional excretion(排泄分画:FENa,
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿蛋白 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿中アルブミン定量 [保] 99点
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿中N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ〔NAG〕 [保] 41点
- 臨床検査データブック 2023-2024/3-メチルヒスチジン〔3-MeHis〕 [保] 279点
- 臨床検査データブック 2023-2024/パラアミノ馬尿酸クリアランス《PAHクリアランス〔CPAH〕》 [保] 150点
- 臨床検査データブック 2023-2024/クレアチニンクリアランス〔Ccr〕《内因性クレアチニンクリアランス》
- 臨床検査データブック 2023-2024/イヌリンクリアランス〔Cin〕 [保] 1,280点
- 臨床検査データブック 2023-2024/血清クレアチン [保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿中尿素窒素〔UN〕 [保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿中トランスフェリン〔Tf〕《尿中マイクロトランスフェリン》 [保] 101点
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿中硫酸抱合型胆汁酸〔USBA〕 [保] 57点
- 臨床検査データブック 2023-2024/PSP試験(フェノールスルホンフタレイン試験) [保] 150点
- 臨床検査データブック 2023-2024/Fishberg濃縮試験 [保] 100点
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿中β2-ミクログロブリン〔尿中β2-m,尿中BMG〕《尿中β2-マイクログロブリン》 [保] 101点
- 新臨床内科学 第10版/1 腎機能の評価法