診療支援
検査

アルカリホスファターゼ〔ALP〕   11点(包)
★★
alkaline phosphatase
橋本 直明
(東都春日部病院・副院長)

基準値 38~113U/L

共用基準範囲 38~113U/L(IFCC常用基準法,2021年4月1日から,NOTE参照)


測定法 PNP基質法(自動測定器)


検体量 血清0.5mL


日数 1~4日


目的 肝胆道系疾患,骨代謝亢進状態のスクリーニング,診断,経過の把握など

NOTE 日本臨床化学会:ALP,LDの測定方法の変更に関するご案内.https://jscc-jp.gr.jp/


Decision Level

●200IU/L以上(高度上昇)

[高頻度]閉塞性黄疸〔胆管癌,肝門部胆管癌,膵頭部癌,総胆管結石,Vater乳頭癌,傍乳頭憩室症候群,自己免疫性膵炎(医学と薬学63:422-426,2010)など〕,肝占拠性病変(転移性肝癌など),肝内胆汁うっ滞〔PBC,PSC,薬物性(臨牀消化器内科22:1641-1646,2007),肝内胆汁うっ滞型急性肝炎(医学と薬学53:53-63,2005)など〕,骨疾患(転移性骨腫瘍) [可能性]肝浸潤性・占拠性病変〔肝膿瘍,悪性リンパ腫,白血病の浸潤,アミロイドーシスなど〕,小肉芽腫性病変〔サルコイドーシス,粟粒結核,梅毒(2~3期)〕,甲状腺機能亢進症〔約60%の例で上昇する.ALPのみの上昇で受診する例もあり要注意(臨牀消化器内科26:1169-1174,2011)〕 [対策]腹痛発作,発黄経過,使用薬物(健康食品,サプリメントを含む)の問診.腹部,甲状腺の触診.胆道系酵素(γ-GTを含む),トランスアミナーゼ,総ビリルビン,総胆汁酸,リン脂質と総コレステロールの測定.腹部超音波,腹部CT,MRCP.抗ミトコンドリア抗体,腫瘍マーカー.肝生検.PTC(D),ERCP(±ENBD).超音波内視鏡(EUS),EUS/FNA,IgG,IgG4,抗核抗体,ALPアイソザイム,TSH,FT4,FT3

●120~200IU/L(軽度~中等度上昇)

[高頻度]

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