基準値
用いる基質の違いによって異なる.今後は日本臨床化学会(JSCC)の勧告法である4-ヒドロキシベンゾイルコリンを基質に用いる施設が増えるものと考えられる
●4-ヒドロキシベンゾイルコリンを基質とするJSCC標準化対応法
・男性:251~489U/L
・女性:214~384U/L
●アセチルコリンを基質とする柴田・高橋法 0.6~1.2ΔpH
●ブチリルチオコリン(BTC)を基質とする方法 3,600~7,600U/L
●2,3-ジメトキシベンゾイルチオコリン(DMBT)を基質とする方法 100~240IU/L
共用基準範囲
・男性:240~486U/L
・女性:201~421U/L
測定法 JSCC標準化対応法,DMBT基質法,柴田・高橋法,BTC基質法
検体量 血清0.5mL
日数 1~4日
目的 肝合成能や栄養状態の評価,脂肪肝などの診断,有機リン中毒やコリン作動性クリーゼの診断など
Decision Level
●高値(上限以上)
[高頻度]脂肪肝,糖尿病,ネフローゼ症候群,甲状腺機能亢進症 [可能性]肥満,本態性家族性高ChE血症,肝細胞癌に伴う高ChE血症 [対策]原疾患の診断と治療.肥満度計算,腹部超音波検査.血糖,尿糖,HbA1cの測定,75g OGTT,尿蛋白,血清アルブミン,総コレステロール測定.TSH,FT3,FT4測定など
●低値(下限以下)
[高頻度]肝硬変/肝細胞癌,劇症肝炎,慢性肝炎の急性増悪,低栄養,敗血症などの急性重症感染症,各種の悪性腫瘍 [可能性]有機リン中毒,各種の慢性消耗性疾患(膠原病,粘液水腫,下垂体・副腎不全,熱傷,天疱瘡,うっ血性心不全,潰瘍性大腸炎など),副交感神経刺激薬(ChE阻害薬)の使用,遺伝性ChE異常症 [対策]低栄養,感染症,慢性肝疾患の病歴をチェック.内服薬のチェック.原因疾患の診断のため,血算,肝機能検査,肝炎ウイルスマーカーの検索,腹部超
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/血液製剤類
- 臨床検査データブック 2023-2024/LD/AST比とLDアイソザイム分画の組み合わせによる鑑別診断
- 臨床検査データブック 2023-2024/トリグリセライド〔TG〕《中性脂肪》 [保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ〔LCAT〕 [保] 70点
- 臨床検査データブック 2023-2024/ビタミンAおよびカロチノイド レチノール
- 臨床検査データブック 2023-2024/ケトン体分画 [保] 59点
- 臨床検査データブック 2023-2024/ケトン体定量《血中ケトン体》 [保] 30点
- 臨床検査データブック 2023-2024/サイクリックAMP〔cAMP〕 [保] 170点(包)
- 新臨床内科学 第10版/【2】二次性(続発性)脂質異常症
- 新臨床内科学 第10版/(1)ジルベール症候群,クリグラー-ナジャー症候群
- 今日の小児治療指針 第17版/Wilson病
- 今日の小児治療指針 第17版/ビタミン代謝異常(葉酸,ビオチン,B12)
- 今日の小児治療指針 第17版/微量元素欠乏症