基準値 260~1,050pg/mL(192~775pmol/mL)
測定法 化学発光を用いる競合的結合測定法(CL・CPBA)
検体量 血清0.5mL
日数 2~4日
目的 ビタミンB12栄養状態の判定
Decision Level
●260pg/mL未満(低値)
[高頻度]巨赤芽球性貧血 [可能性]胃切除後,萎縮性胃炎,内因子抗体,限局性回腸炎(Crohn病),スプルー,セリアック病,膵機能不全,広節裂頭条虫症,オロト酸尿症,トランスコバラミン(Tc)Ⅰ欠損症,Imerslund-Gräsbeck症候群,遺伝性無顆粒球症,吸収不良症候群,アルコール依存症 [対策]ビタミンB12投与
●1,050pg/mL以上(高値)
[可能性]慢性腎疾患,うっ血性心疾患(重症),糖尿病,慢性骨髄性白血病,リンパ性白血病,単球性白血病(一部),赤白血病,真性多血症,白血球増多症,癌の肝転移,急性肝炎,劇症肝炎,肝硬変,肝癌,薬剤性胆汁うっ滞,低蛋白栄養失調症(クワシオルコル) [対策]ビタミンB12の経口投与による高値が最も多いので,その既往(3カ月以内)の有無を確認する必要がある
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
摂取不足による欠乏は,卵,乳製品もとらない厳密な菜食主義者を除いて通常は起こらない.また藻類(のり,いわのり)にも含まれている.
経口摂取されたビタミンB12はまず唾液中のR蛋白質(ハプトコリン)と結合し,次に十二指腸でR蛋白質が膵液の蛋白分解酵素により分解されると,胃の壁細胞から分泌された内因子と結合して内因子-B12複合体を形成する.この複合体は回腸末端部において内因子受容体と結合して効率よく吸収される.腸管内のB12が高濃度であれば,拡散によって吸収されるが,吸収率は低い.回腸の粘膜細胞に吸収されたB12は,TcⅡ(肝臓,マクロファージで生成される担送蛋白)と結合して血中に放出され,肝臓
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