基準値
・成人:20~60pg/mL(52~156pmol/L)
・小児:20~70pg/mL(52~182pmol/L)
測定法 RIA,ELISA
検体量 血清0.6mL(RIA),0.5mL(ELISA)
日数 3~7日
目的 生体内のCa代謝調節ホルモンの測定
Decision Level
●20pg/mL未満(低値)
[高頻度]ビタミンD欠乏症(小児ではくる病,成人では骨軟化症) [可能性]慢性腎不全,特発性・術後副甲状腺機能低下症(副甲状腺ホルモン欠乏症),ビタミンD依存症Ⅰ型(1α-水酸化酵素欠損),遺伝性低P高Ca血症性くる病,偽性副甲状腺機能低下症(副甲状腺ホルモン不応症),閉経後・老齢骨粗鬆症,腫瘍原性高Ca血症,甲状腺機能亢進症,1型糖尿病(成長期),低出生体重児 [対策]活性型ビタミンDの投与
●70pg/mL以上(高値)
[可能性]副甲状腺機能亢進症,ビタミンD依存症Ⅱ型(ビタミンD受容体障害),サルコイドーシス,先端巨大症,成長期,妊娠,授乳婦,エストロゲン投与
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
内因性ビタミンDの活性代謝産物である1,25-(OH)2-D3が,小腸からのCa吸収を促進することにより血中Caの恒常性維持作用を発現する.
ビタミンDはビタミンD結合蛋白(DBP)と1:1のモル比で結合して血中を循環している.DBPのうちビタミンDと結合しているものは2~3%である.ビタミンDは肝で水酸化されて血中の主成分の25-(OH)-D3になり,さらに近位尿細管で1α-水酸化酵素により水酸化されて血中Caレベルを調節する活性型の1,25-(OH)2-D3,またはCaに影響を与えない24,25-(OH)2-D3になる.
血中Ca濃度が低下すると副甲状腺ホルモン(PTH)が分泌される.PTHは腎での1α-水酸化酵素を活性化し,1,25-(OH)2-D3の合成を促進する.こ
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