診療支援
検査

LHRH負荷試験(黄体形成ホルモン放出ホルモン負荷試験)   1,600点(包)
luteinizing hormone-releasing hormone test
加治 秀介
(兵庫県立大学名誉教授)

基準値

以下に示す黄体形成ホルモン(LH),卵胞刺激ホルモン(FSH)の測定値を参考に判定する(表84)

・LH:基礎値の5~10倍の増加

・FSH:基礎値の1.5~2.5倍の増加


測定法

・LHRH(100μg/mL/アンプル)を100μg単回静注し,投与前(0分),投与後15,30,60,90,120分のLH,FSHを測定(RIA,EIA,CLIA)

・「LH」,「FSH」の項参照


検体量 血清で各ポイントLH0.5mL,FSH0.5mL


日数 数時間~5日


目的 下垂体ゴナドトロピン分泌異常の診断と評価


Decision Level

●反応低下

[高頻度]下垂体機能低下症 [可能性]視床下部性性腺機能低下症(LHRH分泌不全),神経性食欲不振症 [対策]①LHRHを5~7日点滴投与した前後でLHRH負荷試験を行うと,下垂体性の場合は前後ともLHRHに対するLHとFSHは低反応で変化がないが,視床下部性では連続投与後にはLHRHによる反応はある程度回復する(LHRH連続試験).②神経性食欲不振症ではLHRHに対する反応は正常からLH,FSHとも低反応,またFSHのみ過剰反応など症例や罹病期間により異なる.LHとFSHがともに低反応の場合は内因性LHRHの分泌低下によるLH/FSH産生細胞の機能低下が考えられ,さらに卵巣に萎縮が起こるとインヒビンの低下からFSHの過剰分泌が起こると推測される


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 LHRHはアミノ酸10個からなる視床下部ペプチドで下垂体前葉のゴナドトロフに直接作用し,LH,FSHの分泌を促進する.したがって,LHRH投与に対するLH,FSHの反応は下垂体での両ホルモンの分泌予備能の指標で,下垂体前葉の腫瘍性病変,炎症性病変などで破壊されると反応は低下する.特にLH,FSHは病変初期から分泌が低下する傾向が強く,女性では無月経となり症状としてでや

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