異常値のでるメカニズムと臨床的意義
●臨床的意義
甲状腺ホルモンの過剰・不足は代謝・循環器・精神機能など全身に大きな影響を及ぼすが,自・他覚症状が非特異的であるため見逃されやすい.甲状腺疾患は頻度が高く治療法も確立しており検査を行えば診断は比較的容易なので,甲状腺の視診・触診・問診を日常的に行うことにより積極的に見いだしていくアプローチが必要で,ヨードの日常的過剰摂取の確認は問診のポイントである.甲状腺疾患の既往歴・家族歴,自己免疫疾患,リチウム・アミオダロン・GnRH誘導体・分子標的治療薬(ニボルマブ,スニチニブなど)の薬物治療,頭頸胸部放射線治療の既往などがある場合はハイリスク群として定期的検査が必要である.また,妊娠中の甲状腺ホルモンの過剰・不足が妊娠経過・児の発育発達に影響する可能性があるため,特にハイリスク群では妊娠前の検査が推奨される.①甲状腺ホルモンの過剰・不足は遊離サイロキシ
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