基準値
・男性および非妊娠女性:陰性
・妊娠女性:陽性
測定法 免疫クロマト法,ラテックス凝集反応(LA),赤血球凝集(阻止)反応(HI)
検体量 部分尿10mL
日数 1日
目的 妊娠ないし異常妊娠の診断
Decision Level
■男性および非妊娠女性で陽性
[可能性]ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)産生腫瘍,HCG投与中 [対策]画像診断による腫瘍の同定と治療
■妊娠女性
●半定量で異常低値
[可能性]異所性妊娠,切迫流産 [対策]超音波断層法などによる婦人科的検査
●半定量で異常高値
[可能性]胞状奇胎,絨毛癌,多胎妊娠 [対策]超音波断層法などによる婦人科的検査
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
妊娠反応は,HCG測定キットにて検体中のHCGを定性,ないし半定量した判定結果である.妊娠反応は,主に尿を用いた妊娠の迅速診断に用いられるが,キットごとにHCGの感度,すなわち最低濃度が決まっているので,HCGを半定量することができる.男性および非妊娠女性では,妊娠反応は陰性である.妊娠反応が陽性の場合は,用いたキットの感度以上のHCGが尿中に存在することを意味する.最近の高感度定性キット(25~50mIU/mL)では,黄体化ホルモン(LH)の干渉もなく基礎体温(BBT)の高温相15日目で100%妊娠と判定できる.
妊娠でないのに妊娠反応が陽性の場合は,精巣,卵巣,膵臓,胃,肝臓などの腫瘍からのHCG産生を疑い精査する.また排卵誘発や黄体機能維持のためにHCGを投与している例では,妊娠反応が陽性にでることがあるので注意を要する.さらに,切迫流産や異所性妊娠では半定量により異常低値が,胞状奇胎や多胎妊娠では異常高値が認められる.
[感度・特異度]
妊娠検査薬のHCG検出感度は閾値20~100mIU/mLほどであり,早期検査薬は25mIU/mLを検出下限値としており,排卵の12±2日後くらいから陽性
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