Decision Level

■成人男性(血中テストステロン)

●1.30ng/mL以下(低値)

[可能性]性腺機能低下症，去勢，思春期遅延，下垂体機能低下症，エストロゲンないしプロラクチン産生腫瘍，停留精巣(睾丸)，精索静脈瘤，肝硬変，糖尿病，Cushing症候群，腎不全，肥満，薬剤(各種ホルモン剤，鎮静薬，麻薬，イミダゾール誘導体など)投与，加齢性腺機能低下症(late onset hypogonadism；LOH症候群)，高齢者　[対策]LH測定，ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)負荷試験，性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)負荷試験，染色体検査など．必要があればテストステロンの補充

●8.72ng/mL以上(高値)

[可能性]男性ホルモン産生腫瘍(性腺および副腎)，先天性副腎過形成，甲状腺機能亢進症，薬剤(テストステロン製剤，GnRH製剤，HCG，クロミフェン，リファンピシン)　[対策]性腺および副腎の画像診断．副腎機能検査，HCG測定

■成人女性(血中テストステロン)

●0.48ng/mL以上(高値)

[可能性]多嚢胞性卵巣症候群，男性化副腎腫瘍，男性化卵巣腫瘍，先天性副腎皮質過形成，精巣(睾丸)女性化症候群(核型は46XY)，薬剤投与(男性ホルモン剤，蛋白同化ホルモン剤など)，特発性多毛症，妊婦，先天性性腺形成異常症(Turner症候群，半陰陽など)，Cushing症候群　[対策]尿中17-KS，血中LH，DHEA-S測定やHCG負荷試験．性腺，副腎の画像診断

異常値のでるメカニズムと臨床的意義

　テストステロンは，C₁₉ステロイドである男性ホルモンのなかで最も強い男性ホルモン作用を有する．男