基準値
・男性:36.9~121.0ng/mL
・女性:17.3~59.7ng/mL
測定法 ラテックス免疫比濁法
検体量 血清0.4mL
日数 2~4日
目的 関節リウマチ(RA)の疾患活動性の評価,関節破壊の予後予測
Decision Level
●高値(男性:121.0ng/mL以上,女性:59.7ng/mL以上)
[高頻度]RA,悪性関節リウマチ [可能性]リウマチ性多発筋痛症,乾癬性関節炎,結晶性関節炎,腱・靭帯付着部症,高安動脈炎,全身性硬化症,全身性エリテマトーデス,変形性関節症,慢性腎不全(透析例を含む),糸球体腎炎など [対策]症状や臓器障害をもとに疾患特異的抗体などの測定を考慮し,RAや膠原病疾患の診断基準(分類基準)に照らし合わせ,必要に応じて検査を加える.同一RA患者で経時的に上昇するようであれば,今後,関節軟骨・骨破壊の進行が予想されることからRAの疾患活動性を再評価し,必要があれば追加治療を考慮する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
RAの病巣である関節滑膜細胞や軟骨細胞へ炎症性サイトカインなどの刺激が加わることにより産生される蛋白分解酵素である.この酵素が軟骨・骨の細胞外マトリックス(主にはプロテオグリカン)を分解することで関節軟骨・骨破壊が生じると考えられている.RA関節局所の滑膜炎を反映し,RA発症早期から高値を示すことがある.RA患者の血中濃度がその後の関節破壊の程度と相関することが示されており,治療効果の判定や関節の予後予測の一部になる.
[感度・特異度]
発症2年未満のRAにおける本検査の感度は約65%,特異度は約63%である.
[関連する検査]
CRP,赤沈のみならず,リウマトイド因子(RF),抗CCP抗体が陽性であるとRAの可能性が高い.
[特定背景のある患者]
透析患者や腎機能障害患者では高値を示すことがある.
判読
罹病関節の大きさや数と相関すること
関連リンク
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