基準値
・閉鎖性膿瘍:培養陰性
・開放性膿瘍:皮膚常在菌叢
測定法 好気培養,炭酸ガス培養,嫌気培養
検体量 少量でも検査可能
日数 2~5日
目的 閉鎖性膿瘍または開放性膿瘍における起炎菌の検索
NOTE *保険点数:同一検体について一般培養と併せて嫌気性培養を行った場合は122点を加算する
Decision Level
●陽性
[高頻度]腹膜炎,腹腔内感染症,胸膜炎,肝膿瘍,膿胸,骨盤内膿瘍,壊死性筋膜炎,蜂窩織炎,感染性関節炎,中耳炎,骨髄炎,外傷,手術部位感染症など [対策]臨床症状,検査材料,検出菌から総合的に判断し有効な抗菌薬の投与を考慮する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
一定の臓器・部位に由来しない検体として閉鎖性膿や穿刺液などがある.これらの検体は,採取部位や疑われる感染症に応じて検査内容が異なるが,本来“無菌部位からの採取”と考えて検査されるものであるため,採取するときに皮膚常在菌を混入させないよう十分注意する(表144図).なお,嫌気培養が必要と考えられる検体は,目的に応じて嫌気性輸送用容器に採取するか多量に採取し,数時間以内に培養を開始する.培養は一般細菌の分離培養法に加えて,必要に応じて嫌気培養,抗酸菌検査,真菌検査を実施し,液体培地を用いた増菌培養を並行して行う.
開放性膿部位の検出菌で最も多いのがStaphylococcus aureusであり,coagulase negative staphylococciと併せて約50%近くを占める.3番目がPseudomonas aeruginosaで10%強である.
また,膿瘍検体では放線菌であるActinomyces spp.やMycobacteriumⅣ群(迅速発育菌群)を含む抗酸菌などの日常検査で検出が困難な菌も考慮すべきである.
A群またはG群連鎖球菌による感染症は,急速な経過をたどり,壊死性筋膜炎,筋炎など軟
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