基準値 培養陰性
測定法 嫌気培養(ガスパック法,グローブボックス法,嫌気チャンバー法など)
NOTE 嫌気性輸送用容器に入れて提出する
日数 2~7日
目的 嫌気性菌の検出
NOTE *保険点数:嫌気性培養のみを行った場合は,検体の種類に応じた点数を算定する(60~220点).一般培養と併せて行った場合は122点を加算する.
Decision Level
●陽性
[高頻度]腹腔内感染症,骨盤炎症性疾患,ガス壊疽,破傷風,偽膜性腸炎,誤嚥性肺炎,口腔顔面の感染症,軟部組織膿瘍など [対策]臨床症状,検査材料,検出菌から総合的に判断し有効な抗菌薬の投与を考慮する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
嫌気性菌感染症には,Clostridium botulinumやC. tetaniなどの菌体外毒素を産生する有芽胞嫌気性菌による感染症とヒトの皮膚や粘膜面に存在する無芽胞嫌気性菌が中心の感染症がある.膿瘍や壊死を起こす化膿性感染症が主流であるが,ほとんどがヒトの常在嫌気性菌(表145図)による内因性感染症といわれ,組織の虚血・壊死などで常在しない部位への侵入,あるいは,常在するところでもその均衡を崩して増殖し,感染症を惹起したものである.
閉鎖性の膿瘍(脳膿瘍,肺膿瘍,膿胸,腹腔内膿瘍,肝膿瘍,直腸周囲膿瘍,骨盤内膿瘍,女性性器や副鼻腔の膿瘍など)から採取した膿は嫌気培養が不可欠である.また,血液からも嫌気性菌が分離されるため,血液培養を行う際には,好気用ボトルと嫌気用ボトルの両方を採取し,嫌気ボトルが陽性となった場合は,嫌気状態での分離培養を実施する.
鼻咽頭および歯肉スワブ,創部や潰瘍部表面をスワブで拭ったもの,腟や頸管のスワブ,排泄尿およびカテーテル尿,喀痰,腸管内容物(Clostridioides difficileを除く),子宮内避妊器具(IUD)などは嫌気性培養に不適な検体といわれてい
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