基準値 陰性
測定法 イムノクロマト法(ICA),ラテックス凝集法(LA)
検体量 咽頭粘液を添付綿棒より採取
日数
・院内検査:5~10分
・院外検査:2~3日
目的 A群β溶連菌による咽頭炎の迅速診断
Decision Level
●陽性(検出感度:104~105CFU/テスト)
[高頻度]咽頭炎 [可能性]A群β溶連菌による化膿性炎症,扁桃炎,膿皮症,猩紅熱,産褥熱など.これらの疾患の続発症として,リウマチ熱や急性糸球体腎炎.さらにショック症状,多臓器障害,軟部組織の壊死などの重篤な病態の進行がきわめて速く,死亡率も高い(約30%)劇症型溶血性連鎖球菌感染症〔毒素性ショック様症候群(toxic shock-like syndrome;TSLS)または連鎖球菌性毒素性ショック症候群(streptococcal toxic shock syndrome;STSS)〕 [対策]検査結果が陽性となった場合の治療はペニシリン系抗菌薬の投与となり,現在までに耐性菌は認められていない
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
Streptococcus pyogenesはLancefield分類によりA群に属しているβ-溶血を示す連鎖球菌である.このLancefield分類は,各種の連鎖球菌の細胞壁を構成する多糖体の抗原を,その特異性により,A~V(I,Jは除く)群に分類している.検査材料中のS. pyogenesの有する群特異性多糖体抗原を亜硝酸により抽出し,特異抗体と反応させ検出する.
A群溶血性連鎖球菌咽頭炎は感染症法では5類感染症(小児定点)に規定されている.小児の急性咽頭炎,急性扁桃炎などの起炎菌を検出し,診断することは,その後の治療方針(投与薬剤など)に影響を与え,続発症の発症率を低下させることができる.また,劇症型溶血性連鎖球菌感染症(5類感染症)の診断は,きわめて迅速に行わなければならない
関連リンク
- 今日の治療指針2023年版/動物より伝播される感染症(特にイヌ,ネコ,ウサギ,ネズミに咬まれたとき) [■その他]
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- 臨床検査データブック 2023-2024/肺炎球菌抗原定性(尿・髄液) [保] 146点
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿中レジオネラ抗原定性 [保] 211点
- 臨床検査データブック 2023-2024/ヘモフィルスインフルエンザb型(Hib)抗原定性(尿・髄液) [保] 132点
- 臨床検査データブック 2023-2024/髄液中B群溶連菌抗原
- 臨床検査データブック 2023-2024/髄液中髄膜炎菌抗原
- 臨床検査データブック 2023-2024/カンジダマンナン抗原《カンジダ抗原》 [保] 134点
- 臨床検査データブック 2023-2024/クリプトコッカス・ネオフォルマンス抗原 [保] 174点
- 臨床検査データブック 2023-2024/糞便中ロタウイルス抗原,糞便中アデノウイルス抗原(40,41型) [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/アデノウイルス抗体 [保] 79点
- 新臨床内科学 第10版/1 ジフテリア
- 今日の小児治療指針 第17版/A群レンサ球菌感染症(劇症型感染を含む)