基準値 陰性
測定法 ラテックス凝集法(LA)
検体量 脳脊髄液(最低0.5mL以上)または培養した集落
日数
・院内検査:約20分
・院外検査:2~3日
目的 ヘモフィルスインフルエンザ(b型)菌による髄膜炎の迅速診断
Decision Level
●陽性
[高頻度]細菌性髄膜炎 [対策]本菌の抗原検査と同時にグラム染色および分離培養を行う.重症例の場合は,一般的に初期から菌血症となるので血液培養を行う.抗菌薬による治療には,アンピシリン耐性株が増加していることから,セフトリアキソン,セフォタキシムおよびメロペネムなどを用いる.Hibは肺炎や敗血症などの感染症の起炎菌となりうるが,なかでも重篤な感染症がHib髄膜炎である
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
本菌は莢膜多糖類の抗原性によりa~fまでの6つの血清型に分類されており,髄膜炎の起炎菌として最もよく認められているのがb型(Hib)である.本検査はb型に特異的な抗体を感作したラテックス粒子を用いて,ラテックス凝集反応により起炎菌を決定する.
従来,Hibによる髄膜炎は乳幼児期の細菌性髄膜炎で最も分離頻度の高い起炎菌であったが,ワクチンの普及に伴い発症例は激減した.今後はb型以外の発症例に注意が必要である.
細菌学的には,この莢膜多糖類と病原性は関連しており,病原性を示すHaemophilus influenzaeのなかで血清型bが95%を占めている.この莢膜が自然突然変異により消失すると,スムース型の集落からラフ型の集落に変わり病原性を失うことが知られている.
[見逃してはならない異常値]
髄液を用いた検査結果が陽性であった場合には,早期診断および早期治療が最も重要である.本検査での陽性および本菌の血液培養からの検出により侵襲性インフルエンザ菌感染症と診断された場合は,5類感染症に含まれることから7日以内に最寄りの保健所への届出が必要とな
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