基準値 陰性
測定法 イムノクロマト法(ICA)
検体量 鼻咽頭ぬぐい液,鼻腔吸引液:スワブで採取
日数 15~30分(院内検査)
目的 hMPV(human metapneumovirus)感染症の迅速診断
Decision Level
●陽性
[高頻度]hMPV感染症 [対策]hMPV感染症は春季を中心に通年で検出されており,上気道炎や気管支炎,肺炎といった症状を呈する感染症である.臨床症状はRSウイルスによる感染症(RSV感染症)とよく似ている.ウイルス性呼吸器感染症のうち,hMPVが原因とされるのは,小児で5~10%,成人で2~4%といわれている.有効なワクチンはいまだ開発されておらず,治療としては対症療法が基本となる.感染経路は主として接触感染と飛沫感染であるため,標準予防策と接触感染予防策の徹底が重要となる
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
hMPVは感染後4~6日の潜伏期間を経て発症し,1週間程度で症状は回復する.病像としてはRSV感染症とよく似ており,軽度の感冒症状から肺炎までさまざまである.初期感染は生後6カ月頃から始まり,2歳までに半数が,10歳までには全員が初期感染を受ける.低出生体重児,免疫不全の児,高齢者や免疫不全患者では重症化しやすい.
[感度・特異度]
鼻腔ぬぐい液では感度82.3%,特異度93.8%,鼻腔吸引液では感度95.8%,特異度93.0%である.
[関連する検査]
インフルエンザウイルスやアデノウイルス,RSウイルスが原因となる呼吸器感染症は,主な症状がhMPVによる症状と似ているため,鑑別のために各種抗原検査が必要となる.
判読
イムノクロマト法を原理とした抗原検査である.陽性の場合は検査プレートの判定部に陽性ラインとコントロールラインが現れ,陰性の場合は陽性のラインは現れずにコントロールラインのみ認める.コントロールラインが現れない場合は検査無効で,
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