診療支援
検査

クラミジア類 クラミジア・トラコマチス遺伝子検査  
Chlamydia trachomatis gene analysis
藤本 文恵
(東京大学医学部附属病院・感染制御部)

基準値 陰性


測定法 液相ハイブリダイゼーション法(DNAプローブ法),PCR法,LCR法,SDA法,TMA法,TRC法


検体量

・DNAプローブ法:子宮頸管擦過物,男性尿道擦過物

・PCR法,LCR法,SDA法,TMA法,TRC法:男性初尿(2~8mL),子宮頸管擦過物,男性尿道擦過物,咽頭擦過物,咽頭うがい液,尿


日数 1~5日


目的 クラミジア・トラコマチス遺伝子の検出


NOTE‍ 保険点数:193点(クラミジア・トラコマチス核酸検出),270点(淋菌およびクラミジア・トラコマチス同時核酸検出)


Decision Level

●陽性

[高頻度]クラミジア感染症(非淋菌性尿道炎,骨盤内感染症,子宮頸管炎など) [対策]マクロライド系,テトラサイクリン系,ニューキノロン系またはアジスロマイシンの抗菌薬投与を考慮する


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 DNAプローブ法では,擦過検体中のC. trachomatisリボソームRNA(rRNA)に特異的なDNAプローブを結合させ,その結合体の化学発光の強度を判定することから特異性が高い.最小検出感度は,1回測定当たり細胞内封入体として5個(inclusion)である.PCR法,およびSDA法はC. trachomatisに特異的なcryptic plasmidのDNAの一部を,TMA法はrRNAを増幅する方法である.これらの方法は,特異性が高く,他の細菌やウイルスまたは同じクラミジア属のC. pneumoniaeC. psittaciとの交差反応は認められない.最小検出感度は,1回測定当たり1IFUである.

‍ C. trachomatisのDNAを標的とした遺伝子検査法は,C. trachomatis感染の確定診断に有用であるが,死菌のDNAも検出するという欠点を有するため,治癒判定の指標には不十分という報告がある.一方,rRNAを標的とした

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