基準値 陰性(定量:各試薬ごとのカットオフ値)
測定法 CLIA法1.00Index,CMIA法,ECLIA法など
検体量 血清0.5mL
日数 3日間
目的 COVID-19ワクチンの効果の判定,またはSARS-CoV-2感染の診断の補助,またはCOVID-19罹患後の抗体価のモニタリングによる回復の確認の補助
Decision Level
●陽性
[高頻度]COVID-19既往(回復後),COVID-19(感染中),コロナワクチン接種後 [対策]ワクチン接種の効果を調べる目的には抗S-IgG抗体か抗RBD-IgG抗体を測定する.病歴の聴取やワクチン接種歴の確認が重要である
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
SARS-CoV-2ワクチンの接種後,スパイク蛋白質(S)に結合する抗体(IgGとIgM)が産生される.なかでもこのSの受容体結合領域(RBD)に結合するIgG量は中和抗体量と強い相関があり,ウイルス感染に対する液性免疫の程度(ワクチン効果)を推定する補助となる.ただし,この量だけで抗ウイルス免疫を推測できない.SARS-CoV-2に感染した場合,抗S抗体の他に抗ヌクレオカプシド(N)抗体(IgG)が産生される.ワクチンの接種では抗N抗体は産生されない.抗S-IgGと抗S-IgMの総量を測定する検査,抗S-IgG量だけを測定する検査,抗RBG-IgGを測定する検査などのバリエーションがある(表181図).
半定量的な検査もあれば迅速簡易定性検査もある.前者は,各検査試薬と検査機器ごとに抗体価の単位があり,異なる検査試薬間で比較することは難しい.今のところ,オミクロン変異株に特化した抗体価を測定できる受託検査はないようである.
[感度・特異度]
感度90%以上,特異度90%以上.あくまで起源株に対する抗体価を測定しているので,オミクロン株に対する抗体価を正しく測定できているかは不詳.
判
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