基準値
・血清:4倍未満
・髄液:1倍未満
測定法 CF,NT
検体量 血清0.2mLまたは髄液0.4mL
日数
・CF:3~5日
・NT:7~13日
目的 コクサッキーウイルス感染の疑いがある場合の感染の有無の判定
Decision Level
●高値
[高頻度]手足口病(A群6,10,16型),ヘルパンギーナ,急性リンパ結節性咽頭炎(A群10型),無菌性髄膜炎,上気道感染症(A群21型),発疹症,心筋炎(B群),流行性筋痛症 [対策]必要に応じてウイルス分離,PCR法による核酸の検出を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
コクサッキーウイルスは,直径28nmのピコルナウイルス科エンテロウイルス属で,中心に1本鎖RNAをもち,エンベロープを欠く正二十面体ウイルスである.乳のみマウスに病原性を有し,病原性の違いから,A群とB群の2つに分類され,A群の血清型は1~22,24型,B群は1~6型に分類されている.経口的に感染して,咽頭および小腸で増殖し,ウイルス血症を起こすが,不顕性感染が多い.ウイルスは糞便中に排泄される.
A群は,夏季,小児におけるヘルパンギーナ,上気道感染を起こす.その他,ポリオ様麻痺,無菌性髄膜炎,Guillain-Barré症候群,発疹性疾患,気道麻痺など多様である.手足口病は,コクサッキーウイルスA群16型,またはエンテロウイルス71型による大流行を起こすことがある.近年,コクサッキーウイルスA群6型による手足口病が急増し,流行の主原因ウイルスとなっている.
B群は,夏季に幼児に流行性の無菌性髄膜炎,夏かぜ,熱性疾患,麻痺,あるいは気道性疾患を起こす.B群による心筋炎は,特に乳幼児の場合,致命的なこともあり注意を要する.新生児の感染では肝炎を引き起こすことがある.B群の6型は,膵島の細胞に傷害を与え,糖尿病の原因になると考えられている.
[関連する検査]
エンテロウイルス抗
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