基準値 検出せず(検出された場合は先天性CMV感染の可能性があると判断する)
測定法 等温核酸増幅法(SmartAmp®法)およびハイブリダイゼーション(Eprimer®法)
検体量 生後3週間以内に採取された尿0.2mL
日数 3~9日
目的 先天性CMV感染の診断,尿中のCMV-DNAの検出
Decision Level
●検出せず
[可能性]CMV以外の先天性感染,染色体異常,遺伝子疾患,先天性代謝異常 [対策]先天性感染を起こしうるCMV以外の病原体に対する検査診断,新生児の先天性疾患(染色体異常,遺伝子疾患,先天性代謝異常など)の診断を行う
●CMV核酸検出
[高頻度]先天性CMV感染 [対策]CMV 感染で説明しうる症状の確認.抗CMV薬の投与の検討
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
本邦において,新生児の300人に1人が先天性にCMVに感染し, 1,000人に1人が症候性の先天性CMV感染症であると推測されており,先天性感染症の原因微生物としてCMVは最も頻度が高い.先天性CMV感染症児では,低出生体重,小頭症,脳室拡大,脳内石灰化,大脳皮質形成不全,黄疸,出血斑,肝脾腫,肝機能障害,感音性難聴,網脈絡膜炎などのさまざまな症候を認める.また,出生時には症状を認めなくても,後に聴力障害,視力障害,精神遅滞などの神経学的後遺症を発することがあり,CMV感染児では長期にわたる経過観察を必要とする.このような先天性CMV感染症において,出生後早期に抗CMV薬の投与を開始することで,予後が改善する可能性が報告されている.
先天性にCMV感染している新生児の尿には,その血液中よりも100~1,000倍多くのCMV核酸が存在するため,先天性CMV感染の検査には尿検体がよく用いられている.CMVは多くの人がすでに感染しており,母乳や環境からCMVが新生児に感染することもありうる.この場合,新生
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