基準値 血漿中のCMV核酸が陰性(定量下限未満)
測定法 リアルタイムPCR
検体量 血漿1~2mL(EDTA-2Na加血液として約2~5mL)
日数 1~5日
目的 サイトメガロウイルス(cytomegalovirus;CMV)感染症の補助診断
Decision Level
●血漿中にCMV 核酸が検出される
[高頻度]CMV感染症 [可能性]不顕性CMV回帰感染 [対策]患者症状と照らし合わせてCMVの分離同定,組織学的検査,CMV抗原検査結果を参照して総合的にCMV感染症の判断をする
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
CMVは全身感染を起こすウイルスであり,初感染の後に主として単球・マクロファージ系細胞に潜伏感染をする.潜伏感染時において細胞フリーの血漿からCMV 核酸が検出されることは通常ない.したがって,陽性結果は感染細胞から放出したCMV粒子が血漿中に存在することを意味しており,CMV初感染直後,再感染,再活性化した後の回帰感染の状態を疑う.なお,血清分離処理を行うと白血球破壊が起こり,潜伏感染しているCMV核酸が血清に混入することがあるため,血清よりも血漿が検体として適している.血漿中のCMV核酸量は病勢との相関や抗CMV薬による治療効果との逆相関が認められており,CMVの再活性化モニタリングにおいてCMV抗原血症検査(HRP-C7あるいはC10/C11法)と同等あるいはそれ以上の有用性であることが確認されている.しかし,治療開始や抗CMV薬中止の基準となるCMV核酸量は確立しておらず,本検査はCMV感染症の早期診断および治療介入や治療効果判定の補助的診断として用いるべきものである.
本検査は2020年8月から臓器移植後もしくは造血幹細胞移植後の患者またはHIV感染者または高度細胞性免疫不全の患者に対し,リアルタイムPCRによりCMV-DNAを定量した場合に保険請求が可能と
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