基準値
・EIA:陰性(IgG:2.0未満,IgM:0.8未満)
・CF:血清4倍未満,髄液1倍未満
・IAHA:血清2倍未満
測定法 CF,EIA,IAHA
検体量 血清0.2mLまたは髄液0.4mL
日数 3~5日
目的 水痘既感染および再活性化の把握,ワクチン接種による免疫獲得の評価
NOTE *保険点数:79点〔ウイルス抗体価(半定量)〕,206点(グロブリンクラス別ウイルス抗体価:IgG,IgM)
Decision Level
●高値
[高頻度]水痘,帯状疱疹,VZV髄膜炎,VZV不顕性感染,ワクチン接種後 [対策]必要によりVZV抗原またはVZV-DNAを検出する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
VZVは,初感染では水痘の,再活性化では帯状疱疹の原因となる.ヘルペスウイルス科に属するDNAウイルスで,伝染力が強く空気感染する.潜伏期は2~3週間である.
水痘は,発熱と全身の水疱を呈する疾患で,結膜,上気道粘膜からウイルスが侵入し,局所リンパ節,肝,脾などの臓器で増殖し,皮膚に達し発症する.治癒後,ウイルスは神経節に潜伏感染し,再活性化されると帯状疱疹となる.
悪性腫瘍,免疫不全,免疫抑制薬使用中の患者などが,水痘に罹患したり帯状疱疹を発症すると重症で,ときに致命的となる.成人水痘は小児の場合に比べ,より重症であり,肺炎などの合併症がみられることも多い.
水痘はワクチンによる予防可能な疾患である.2014年10月1日より,12~36カ月児に対するワクチンの定期接種が行われており,患者数は大きく減少している.
[関連する検査]
水疱内容のVZV抗原染色,末梢血を用いたVZV分離・PCR法による確定診断を必要に応じて行う.
判読
①急性期と回復期のペア血清で,抗体価の有意な上昇,IgM抗体の上昇がみられれば,確実性は増す.②CF:発疹出現後約1週間で陽性となり,3週前後に最高となり,その後下
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