基準値 37U/mL以下(各キット間でバラツキが多い)
測定法 RIA,CIA,IRMA,EIA,ELISA,FIA,ECLIA,CLEIA,CLIA
検体量 血清0.5mL
日数 3~5日
目的 各種消化器悪性腫瘍の腫瘍マーカー
Decision Level
●1U/mL以下(減少)
[高頻度]Lewis A(Lea)陰性患者
●37~50U/mL(軽度増加)
[高頻度]若年女性 [可能性]良性膵・胆道疾患,子宮内膜症,卵巣嚢腫,子宮筋腫,コントロール不良糖尿病,肝硬変
●50~100U/mL(中等度増加)
[高頻度]良性肝・胆・膵疾患,良性婦人科疾患,慢性呼吸器疾患 [可能性]膵癌,胆道癌,消化器癌,卵巣癌,子宮体癌,肺癌
●100~1,000U/mL(高度増加)
[高頻度]膵癌,胆道癌,卵巣癌,進行消化管癌,進行肺癌 [可能性]胆石症,胆管炎,卵巣嚢腫,気管支嚢胞,気管支拡張症,溶連菌感染症
●対策
高値を認めた場合には,腹部エコー,CTなどの画像診断,内視鏡検査,血液学的検査,他の腫瘍マーカーの測定などを行い癌の発見に努める.渡辺らは膵胆道系癌の診断には,癌特異性が高いSLXかST-439のいずれか1つ,さらにDU-PAN-2かCEAを組み合わせた検査を推奨している.以上の検査で異常のない場合,膵癌を中心に検索するために,超音波内視鏡,ERCPなどの画像診断や膵液細胞診を追加する.女性では婦人科的検索も行う.それでも診断のつかない場合は,CA19-9を1カ月後再検し,上昇を認める場合,再度,上記の精査を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
CA19-9はヒト結腸,直腸癌細胞株SW1116を免疫原とするモノクローナル抗体NS19-9が認識する抗原で,抗原決定基はシアリルLeaとされ,健常者では約20万の糖蛋白上,癌患者では分子量約500万の巨大ムチン糖蛋白上に存在している.またシアリルLea抗
関連リンク
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- 新臨床内科学 第10版/3 精巣腫瘍