基準値 12U/mL未満(平均値+2SD)
測定法 酵素免疫測定法(double determinant EIA),ELISA
検体量 血清0.2mL
日数 5~7日
目的 卵巣癌の診断
Decision Level
●12U/mL以上(増加)
[高頻度]①20U/mL以上は卵巣癌の確率が高い:卵巣癌63%(Ⅰ期癌70%,漿液性嚢胞腺癌67%,粘液性嚢胞腺癌75%,類内膜腺癌63%,明細胞腺癌41%,未分化癌48%,転移癌88%),②疑いが否定できない疾患:良性卵巣腫瘍12%,子宮内膜症19%[可能性]胃37%,大腸25%,膵41%,肺35%など婦人科以外の癌 [対策]陽性値なら卵巣癌の確率が高いが,他臓器癌の可能性は否定できない
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
CA54/61は,2種類のモノクローナル抗体が認識するムチン型糖蛋白分子の母核糖鎖(シアリルTn)抗原で,CA72-4,STNと同じグループの腫瘍マーカーである.卵巣癌で高率に産生され,血中に検出される.卵巣癌の診断補助と,卵巣癌と子宮内膜症の治療中および治療後のモニターに利用される.
CA125と違って腹膜,胸膜,心膜の炎症で血中レベルの上昇はみられない.
[関連する検査]
①母核糖鎖グループの腫瘍マーカー(CA54/61,STNとCA72-4)が認識する分子は同じなので併用してはいけない.②コア蛋白の腫瘍マーカー(CA125,CA130またはCA602)と併用すると卵巣癌での感度は高まるが特異度は低くなる.
判読
①CA125に比べて粘液性卵巣癌での陽性率が高く,腹膜炎症の影響を受けないのでフォローアップに適する.②女性の性周期による変動はない.③20U/mL以上は卵巣癌の確率が高い.
採取保存
普通採血,室温凝固.血清は4℃または凍結保存.
保険注意
①1日に採取した血液などを用いて腫瘍マーカー検査を2項目以上行った場合は,項目数に応
関連リンク
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- 新臨床内科学 第10版/3 精巣腫瘍