診療支援
検査

BRCA1/2遺伝子検査 (血液を検体とした自費検査)
BRCA1/BRCA2 gene
菅野 康吉
(公益財団法人佐々木研究所附属杏雲堂病院遺伝子診療科・科長)

基準値 陰性(negative)


測定法 次世代シーケンシング(NGS)による解析と,PCR/サンガー法あるいはMLPA法による確認


検体量 血液約7mL(EDTA-2K採血)


日数 約4週間


目的‍ BRCA関連遺伝性乳癌・卵巣癌症候群(HBOC)のリスクが高い患者を特定し,医学的管理を決定するための補助

【適用条件】

HBOC関連腫瘍の既往歴あるいは家族歴を有する患者で保険適用外の場合,あるいはHBOC関連腫瘍の家族歴からHBOCの遺伝的リスクが疑われる未発症者

10万人以上の日本人を対象に14種類の癌についてBRCA1/2遺伝子を解析した最近の研究によれば,健常者との比較で病的バリアントの保有率に有意差が認められた7種類の癌種の85歳までの累積罹患率は表190のとおりであった.本表には含まれないが,乳癌(男性)におけるBRCA1/2遺伝子検査の陽性率は約20%である.自費で行われるBRCA1/2遺伝子検査の適応としては乳癌卵巣癌以外にこれらの癌を含めた罹患歴,家族歴を考慮し評価する必要がある.


Decision Level

●陽性:病的バリアントあり《PATHOGENIC》または《LIKELY PATHOGENIC》

 BRCA1/2蛋白質の合成が中断される場合.ナンセンスバリアント,挿入・欠失などのフレームシフトバリアント,スプライシング異常を生じるエキソン・イントロン接合部のバリアントが多い.一部の非同義性バリアントなども病的バリアントと判定される場合があり,最終判定はClinVarなどの公的データベースに基づく場合が多い.遺伝子検査の結果についての表記法は検査会社により異なる.ラボコープ社では陽性の場合にpathogenicあるいはlikely pathogenicと表記している

●臨床的意義不明な場合:意義不明なバリアント《UNCERTAIN》

 VUSと判定されるバリアントの

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