基準値
●キャピラリー電気泳動法
・男性:10.3~41.5mg/日
・女性:9.0~37.7mg/日
●イオンクロマト法 8.9~41.0mg/日
測定法
・キャピラリー電気泳動法(SRL社)
・イオンクロマト法(BML社)
検体量 酸性蓄尿
日数
・キャピラリー電気泳動法:3~9日
・イオンクロマト法:4~10日
目的 再発性・多発性尿路結石の予防
Decision Level
●上昇
[高頻度]高シュウ酸尿症 [可能性]原発性高シュウ酸尿症,ピリドキシン(ビタミンB6)欠乏症, 薬剤性高シュウ酸尿症(ビタミンC大量摂取) [対策]再発性の尿路結石患者に高シュウ酸尿症が認められたら,原因となる食事内容の改善,Ca摂取の励行(1日600~800mg),クエン酸の摂取などでシュウ酸Caの尿中での生成を抑制する.メタボリックシンドロームなどの生活習慣病があれば,これらの治療も行う.一時,Mg製剤がシュウ酸Ca結石の再発予防に効果があるといわれたが,十分なエビデンスはない
●低下
低下する病態はない
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
シュウ酸は尿路結石の約 80%を占めるシュウ酸Caを含む結石成因物質の1つである.結石形成過程において高シュウ酸尿症が大きな影響を及ぼしていることが知られている.尿中のシュウ酸の70%は食事由来と考えられている.
高シュウ酸尿症の原因には遺伝的な背景,食事の影響および薬剤の影響がある.原発性高シュウ酸尿症では遺伝的な背景が明らかにされている.シュウ酸を多く含む食物としては,ホウレンソウ,タケノコ,サツマイモ,レタス,ブロッコリー,ナス,ピーナッツ,チョコレート,飲物としてはコーヒー,紅茶,緑茶,ココアがある.これらの食物や飲物に含まれるシュウ酸はCaを多く含む食品を同時に摂取することにより,シュウ酸とCaが結合して糞便中に排泄されるため,シュウ酸の腸からの吸収が抑制され,尿中への
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