診療支援
検査

肺炎
久田 哲哉
(世田谷通り桜内科クリニック院長)

病態

 病原体感染による肺実質の炎症


[参考]

 成人肺炎診療ガイドライン 2017


異常値

・白血球数 基準値~基準値以上

・赤沈 基準値以上

・CRP 基準値以上

・血清抗体価(マイコプラズマ,クラミドフィラ・ニューモニエ,レジオネラなど) 原因菌により,基準値以上あるいはペア血清にて4倍以上の上昇(クラミドフィラ・ニューモニエでは別基準)

・マイコプラズマ核酸検出,レジオネラ核酸検出(喀痰などによるLAMP法) 陽性

・SARS-CoV-2抗原定性・定量,PCR 陽性

・尿中抗原(レジオネラ,肺炎球菌など) 陽性

・寒冷凝集反応 マイコプラズマ肺炎で基準値以上

・胸部X線 浸潤影(多くは区域性~葉性)

・血液ガス 低酸素血症


経過観察のための検査項目とその測定頻度

●末梢血検査‍ [急性期]重症度,治療効果判定および副作用モニターのため3~4日ごと [回復期]治療効果判定および副作用モニターのため1週ごと

●血清抗体価‍ [急性期]起因菌決定のため2週ごと(クラミドフィラ・ニューモニエでは3~4週ごと)

●尿中抗原‍ [急性期]起因菌決定のため1回測定

●胸部X線‍ [急性期]重症度および治療効果判定のため3~4日ごと [回復期]治療効果判定のため1週ごと

●喀痰培養‍ [急性期]起因菌決定および菌交代の早期発見のため1週ごと

●呼吸機能検査‍ [その他]基礎疾患の検索および治療後の残存呼吸機能判定のため回復後に測定


診断・経過観察上のポイント

①急性期には,喀痰培養を含め,起因菌決定のための検査も重要.②近年,マイコプラズマやレジオネラ感染症の診断に喀痰などによるLAMP法が保険適用されている.③重症例では血液培養検査も必要(参考に肺炎の重症度分類を表213に示す).④軽症例では外来治療,中等症例では外来または入院治療,重症例では入院治療,超重症例ではICU入院が勧められる.⑤回復後,末梢血所見,胸部X線所見

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