病態
プロラクチン(PRL)の過剰分泌,原因はPRL産生下垂体腺腫(プロラクチノーマ)をはじめとする種々の機能性器質性疾患と薬剤
[参考]
間脳下垂体機能障害の診断と治療の手引き(平成30年度改訂),2019
異常値
・血中PRL 高値(睡眠,ストレス,性交や運動などに影響されるため,複数回測定でいずれも施設基準値以上).マクロプロラクチノーマにおけるPRLの免疫測定においてフック効果(過剰量のPRLが,添加した抗体の結合能を妨げ,見かけ上PRL値が低くなること)に注意する
・遊離T4(FT4)低下,TSH値上昇 高PRL血症の原因の1つである原発性甲状腺機能低下症を鑑別するため
・下垂体MRI 高PRL血症の原因鑑別のため
経過観察のための検査項目とその測定頻度
●血中PRL [急性期]活動性判定および治療方針決定のため2週ごと [安定期]治療効果判定のため1~3カ月ごと
●血中エストラジオール(E2)もしくはテストステロン [安定期]PRL高値による性腺機能低下の合併症判定のため3カ月ごと
●FT4,コルチゾール,IGF-Ⅰ [安定期]プロラクチノーマによる汎下垂体機能低下の合併症判定のため6カ月ごと
診断・経過観察上のポイント
①高PRL血症の原因には種々の機能性・器質性疾患と薬剤性があり鑑別が必要.②薬剤性としては,H2受容体拮抗薬(シメチジン,ラニチジン),ドパミン受容体拮抗薬(メトクロプラミド,クロルプロマジン,ハロペリドール),降圧薬(ラベタロール,レセルピン,ベラパミル),抗精神病薬(リスペリドン,パリペリドン,オランザピン,クロザピン,アセナピンなど),抗うつ薬(クロミプラミン,アミトリプチリン,フルボキサミンなど),抗てんかん薬(フェニトイン),エストロゲン製剤(経口避妊薬など),麻薬(モルヒネ,メサドン,アポモルヒネなど)がある.原因となる疾患としては,機能性・器質性
関連リンク
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- 臨床検査データブック 2023-2024/フリーテストステロン《遊離テストステロン》 [保] 159点(包)
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