診療支援
検査

甲状腺機能亢進症(甲状腺中毒症,Basedow病)
高松 順太
(高松内科クリニック院長)

病態

 甲状腺からのホルモン分泌の亢進


[参考]

 バセドウ病治療ガイドライン 2019


異常値

・遊離T4(FT4) 4ng/dL以上のことが多い

・総T4 14μg/dL以上のことが多い

・遊離T3(FT3) 7pg/mL以上

・TSH 0.02mU/L以下

・TSHレセプター抗体 2.0IU/L以上

・甲状腺刺激抗体(TSAb) 180%以上

・コレステロール 150mg/dL以下のことが多い

・ALP 350IU/L以上のことが多い

・血中サイログロブリン 基準値以上のことが多い

・抗TPO抗体 陽性のことが多い


経過観察のための検査項目とその測定頻度

●FT4‍ [急性期]急激に低下することがあるので,2週ごと [慢性期]治療効果判定目的で,1~3カ月ごと

●FT3‍ [急性期]急激に低下することがあるので,2週ごと [慢性期]治療効果判定目的で,1~3カ月ごと

●TSH‍ [急性期]急激に上昇することがあるので,1カ月ごと [慢性期]治療効果判定目的で,1~3カ月ごと

●TSHレセプター抗体‍ [急性期]重症度を判定する目的で,2~3カ月ごと [慢性期]抗甲状腺薬を中止できるか否かを判定する目的で,6~12カ月ごと

●TSAb‍ [急性期]重症度を判定する目的で,2~3カ月ごと [慢性期]抗甲状腺薬を中止できるか否かを判定する目的で,6~12カ月ごと

●血中サイログロブリン‍ [急性期]1回のみ.抗サイログロブリン抗体価も同時に測定する [慢性期]抗甲状腺薬が中止できるか否かを判定する目的で,6~12カ月ごと

●抗TPO抗体‍ [急性期]1回のみ [慢性期]重症度の変化を追跡する目的で,1年に1回

●甲状腺エコー‍ [急性期]急激な変化をとらえるため,2カ月ごと [慢性期]腫瘍の出現などを調べる目的で,6~12カ月ごと


診断・経過観察上のポイント

①Basedow病による甲状腺機能亢進症の場合,抗甲状腺薬にて血

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