病態
血清IgG4高値,全身諸臓器の腫大や線維化をきたし,病理学的にはIgG4陽性形質細胞浸潤を示す原因不明の疾患.罹患臓器は多岐にわたり,中枢神経系(下垂体炎,肥厚性硬膜炎),涙腺・唾液腺(Mikulicz病,硬化性唾液腺炎,Küttner腫瘍),眼窩,甲状腺(Riedel甲状腺炎),肺,膵臓(自己免疫性膵炎),胆管(硬化性胆管炎),肝臓,消化管,腎臓,前立腺,後腹膜腔(後腹膜線維症),リンパ節,大動脈などの血管,皮膚,乳腺などが知られ(図115図),それらの機能障害によってさまざまな臨床症状が出現する
[参考]
IgG4関連疾患包括診断基準2020
IgG4関連腎臓病診断基準2020
異常値
・血清IgG4 上昇(135mg/dL以上)
・血清IgG 上昇
・血清IgE 上昇することがある
・血清CH50 低下することがある
・赤沈 亢進
・病理組織学的所見 以下の2つを認める.①組織所見:著明なリン