家族性地中海熱(FMF)

荒木　靖人

（埼玉医科大学准教授・リウマチ膠原病科）

三村　俊英

（埼玉医科大学教授・リウマチ膠原病科）

病態

　周期性発熱，漿膜炎(胸膜炎，腹膜炎，心膜炎)，関節炎，皮膚病変(丹毒様紅斑)をきたし，常染色体劣性遺伝の形式をとる自己炎症性疾患である．慢性に炎症が持続すると，アミロイドA(AA)アミロイドーシスが続発して臓器障害が引き起こされる．地中海沿岸地域に多発する疾患である．それ以外の日本などの地域においても認められるが，臨床像や遺伝子変異が異なり，非典型的症状を示す．典型的には12～72時間持続する38℃以上

初出:臨床検査データブック 2023-2024 発行:2023年1月

収載:医学書院 医療情報サービス（2024年5月17日　掲-ID：ken_05009-23_a008b011z0014）