小児の発熱は救急で最も頻度の高い訴えであり,50%近くを占める.多くは自然に軽快するウイルス感染であるが,重篤な疾患が隠れていることがあり,現場ではこれを見落とさない,ないしは注意深く追っていくことが求められる.年少児の敗血症や髄膜炎は発見が難しく,進行が早いため,検査のフルスタディが求められる.はっきりした否定的な証左がない限り,結果の重大さに鑑み生後3か月未満は入院,もしくは小児科医へ相談ないし紹介することが勧められる.
A.小児ならではのポイント
●年少児では自覚症状の訴えがない.
●年齢により原疾患の頻度が異なり,同一の原疾患でも予後が異なる.
●発熱しやすい.基礎代謝が高く,うつ熱しやすい,サイトカインが出やすいなど,成人に比べて体温は高くなりがちである.脱水や環境温の上昇だけでも容易に体温が上昇する.
●発熱をきたす病変の進行が速い.感染症,熱射病,薬剤などすべてに当てはまる.
●クーリ
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