A.小児ならではのポイント
●小児の中毒は予防が最重要課題である.日本中毒情報センターにかかる電話の77%が5歳以下の小児についての問い合わせで,家庭用品によるものが多い.頻度は①化粧品,②タバコ関連,③洗剤の順である1).ほとんどが誤飲により毒薬物に曝露している.
●事故は家族がそばで注意していても発生してしまうことがある.家庭では,小児の手の届く範囲には,口に入るサイズのものは置かないように心がけたい.過去に誤飲事故が起きた場所に,もう一度同じように置いているケースもみられる.保護者による一層の配慮を求めたい.歩き始めた小児は行動範囲が広がることから特に注意を要する.
●また,成人では無症状でも,小児にとっては少量または1錠の内服でも致死的となる中毒があることに留意すべきである(表1図).
B.最初の処置
1二次災害に留意
中毒診療で特記すべき留意点は,二次災害を防ぐことである.ほとんどが家庭用
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