全身を観察したのち,局所の視診に移る.頭部から爪先まで,系統だてて観察を進め,見落としがないように注意する.
頭部 head
頭部の診察では,患者と向かい合って座り,主に視診と触診で診察をする.大きさや形,毛髪の状態を観察し,同時に運動の状態や異常運動の有無を調べる.
頭部の診察
大きさ
同年齢の健常者に比べて,頭の大きさ(size)が異様に大きいものを大頭症(macrocephaly),逆に小さすぎるものを小頭症(microcephaly)という.
大頭症は,水頭症(hydrocephaly),先端巨大症,変形性骨炎などでみられる.
水頭症は,脳室内に髄液が大量に貯留して脳室が拡張し,さらに頭蓋骨縫合が離開して頭蓋骨が拡大した状態である.顔面は普通の大きさなので,頭が異様に大きく,眼がくぼんで見えて,下を向いたような状態になる〔眼球の落陽現象(setting sun phenomenon)〕
関連リンク
- 内科診断学 第4版/部位別の身体診察:全身状態
- 内科診断学 第4版/眼球運動障害
- 内科診断学 第4版/眼底異常
- 内科診断学 第4版/リンパ節腫脹
- 内科診断学 第4版/甲状腺腫
- 治療薬マニュアル2024/トロピカミド《ミドリンM》
- 治療薬マニュアル2024/フェニレフリン塩酸塩《ネオシネジン》
- 今日の治療指針2024年版/眼瞼下垂
- 今日の救急治療指針 第2版/眼科救急
- 内科診断学 第4版/部位別の身体診察:腹部
- 内科診断学 第4版/瞳孔異常
- 今日の整形外科治療指針 第8版/肩こりの治療
- 今日の診断指針 第8版/複視
- 今日の小児治療指針 第17版/睫毛内反症,先天眼瞼下垂
- 今日の小児治療指針 第17版/小児眼外傷