診療支援
診断

黄疸
jaundice,icterus
清澤 研道
(相澤病院消化器病センター 名誉センター長/肝臓病センター 顧問)

黄疸とは

定義

 黄疸とは,血中ビリルビンが増加し,眼球結膜,皮膚,粘膜,その他の組織が黄染した状態をいう.健常者の血清ビリルビン濃度は1.0mg/dL以下であるが,2.0mg/dLを超えると肉眼的に黄疸が認められる.黄疸はビリルビンの産生,代謝,排泄のいずれかの障害により生じる.

患者の訴え方

 患者自身が黄疸に気づくよりは,むしろ他人から「白目が黄色い」「顔色が黄色っぽい」と言われて受診することが多い.

 自分で気づく場合は,黄色調の白目や皮膚と同時に褐色尿を訴える.患者によっては大便の色の変化(灰白色便)を主訴にする.皮膚の痒みを訴える場合もあり,黄疸の重要な徴候の1つである.腹痛,貧血を訴えて来院し,発見される場合もある.

 手掌のみが黄色調を呈すると受診する多くの患者は,黄色野菜,果物の過剰摂取によるカロチンの沈着をきたしているものであり,黄疸ではない.

 黄疸患者の受診理由を表1に示した.

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