頭痛とは
定義
頭頸部に限局する痛みの自覚症状を指す.日常の診療で,最も多くみられる症状の1つである.原因は多様で,痛みの強さが必ずしも重篤さを表すとは限らない.器質性疾患に由来する症候性と,器質性疾患に由来しない機能性の頭痛がある.
患者の訴え方
頭痛には,機能性頭痛と症候性頭痛がある.初診時に鑑別診断をするうえで重要なことは,症候性頭痛のなかで,くも膜下出血,脳腫瘍などの頭蓋内器質性病変を見逃さないことである.「急に頭痛が始まった」「いつもの頭痛と違う」と訴える場合は,症候性の頭痛の可能性があるので,緊急CT,髄液検査などを行い,頭痛の原因を至急明らかにする必要がある.
患者が頭痛を訴える頻度
外来初診患者のうち10%近くが頭痛を主訴としている.このうち片頭痛が10%,緊張型頭痛が45%,群発頭痛が1.5%で,機能性頭痛が60%を占め,頭蓋内の器質性病変,髄膜炎,脳炎によるものは1.5%とさ