眼球運動障害とは
定義
眼球運動は外眼筋で行われ,その神経支配は,大脳から脳幹・小脳までのさまざまな部位が関与している.眼球運動障害は,それらのどの部位の障害でも出現し,眼球の動きの異常と眼球位置の異常がみられる.
患者の訴え方
患者は,両眼視機能の障害がみられるため,「物が二重に見える」と複視を訴えることが多い.ただ,核上性の眼球運動障害では複視は訴えない.
その他,物を見るときに像の位置が実際とずれるため「物をうまくつかむことができない」と訴えたり,複視の結果として「頭がくらくらする」と訴える.
また,複視を避けるため麻痺筋を使わないですむように眼性斜頸を認めることがある.
患者が眼球運動障害を訴える頻度
急性に出現する眼球運動障害をきたす疾患で最も頻度が高いのは脳血管障害である.それ以外には,脳幹脳炎,多発性硬化症などを考える必要がある.徐々に出現するものとしては,重症筋無力症,ミオパチー