喀血,血痰とは
定義
一般に喀血とは,下気道(肺または気管・気管支)から出血した血液そのものを喀出することをいう.特に100~600mL/日の喀血量を認める場合を大量喀血と呼ぶ.血痰とは,痰に血液が付着もしくは混在したものを指す.口腔や鼻腔からの出血とは区別する.
患者の訴え方
喀血・血痰は身体の危機,生命の不安感を感じるものであり,初めて血痰が出た場合,患者は驚いて外来受診することが多い.訴えとしては「痰に赤い点や線が混じった」「咳をして血を吐いた」「血が混じった痰を吐いた」というものなど多彩である.一般的には「咳とともに出た」と表現するため,吐血と区別できることが多い.しかし,鼻出血や咽頭,口腔からの出血も気道内に吸引され咳嗽を伴い「喀血・血痰」と表現することもあるので注意が必要である.
患者が喀血,血痰を訴える頻度
喀血・血痰を主訴として来院する患者は数%程度とみられ,数十年前と比較し減少